2020年3月17日火曜日
坂口太志という男
今日は昨日のレコーディングの疲れが丸々残っていた。
どれだけ残っていたかというと、定期券を忘れたと言って家に戻ったら、ポケットに入っていたぐらいだ。
お陰で20分弱無駄にした(笑)
二日酔いならぬ、二日レコである。
今日はラブレターをレコーディングエンジニア「坂口太志」について書いてみようと思う。
坂口との出会いも秋田犬であった。
秋田犬の店長兼PAの方が引退され、代わりに秋田犬のPAを務めることになったのが坂口太志だった。
ずいぶんドシンとした職人気質な人間だなと思った。
年下だと分かった時は驚いたもんだ(笑)
秋田犬には何人かPAさんがいるけれど、坂口のPAが一番肌にあった。
当時、今よりも素人の我々でさえ「この人の創る音は少し違うな」と思わせてくれた。
そこから色々なライブハウスやライブバーに出るようになっても、坂口の音の中では安心してプレイできた。
秋田犬に関わる人間でそういう人間は多いんじゃないかな。
企画やワンマンライブを重ねるにつれ、坂口の本業がレコーディングエンジニアであると知る。
失礼な話だが。
以前書いた「聖人君子にあこがれて」までのCDの出来に満足できていなかった我々は、きちんとしたミックス、マスタリングをやってくれる人を探していた。
プレイはともかく、盤面としての完成度が欲しかった。
スピッツがトム・ロード アルジというエンジニアと出会ってからCDの出来に満足したという自伝も読んだことも影響している。
エンジニアをやっているという人間はその頃何人かいたけれど、
「坂口なら任せられる」
それがシャイニーズの意見だった。
現在も皆さんに聴いていただいている「十弦十色」は坂口の手によるものだ。
自分がパソコンで簡単に録音をしたものとは何もかも違う。
初めて十弦十色の音源を聴いたときは感動したなぁ。
それこそクリープハイプの尾崎さんのラジオに送れるものができたんだ、とちっぴーと喜んだものです。
今回のレコーディングも坂口のすごさをまざまざと見せつけられているけれど、坂口はとにかく「聴くプロ」だなぁと感じる。
当たり前だけど僕たちより何十何百倍も音を聴いている。
聴力ということではなく、音への集中力が尋常ではない。
ちっぴーも僕も昨日のレコーディングではヘトヘトになったけど、坂口は単純にその倍も音を聴き続けている。
すごいことだよ。
耳がバカになるんだよ、普通。
リテイクやダメ出しも的確だ。
いかに普段「なんとなく」やっているかを痛感させられるのだ。
改めてこの人とやれてよかったと思っている。
盤面を創るというのは、決してプレイヤーだけで成せることではないのですね。
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