2019年3月12日火曜日

売ること、届けること

昨日のライブでCDをお買い上げいただいた。

その日に出会った人に買ってもらった。
これはとてつもなく大きい出来事である。


CDが売れなくなったというが、音楽の価値は下がってないと思う。
ダウンロードでもYouTubeでもいいが、CD以外の方法で音楽にアクセスできるのだから。
当たり前なのかもしれん。


かつてカセットや、レコードが発明された時。
音楽を部屋に持って帰れるということに、革命的な感動があったことと思う。
ライブに行かなくても何度も歌ってくれる。奏でてくれる。
魔法だったろうに。

音楽を持って帰りたいというのは、文化がある時代に生きる人間の本能な気がする。

そこに選んでくれたことがたまらなく光栄だった。


勿論お金に変わるから、それも嬉しい。

僕たち、ミュージシャンの収入源は大きく二つしかない。

チケット代金と、物販だ。
物販にはCDだったり、ステッカーだったり、チェキだったり(笑)
色々あるでしょう。

売れれば活動がうまく回る。
活動が回るなら、音楽に専念できる。
沢山売れて欲しい。と思う。


しかし、大半のミュージシャンは商売をしたいわけではない。

沢山売れて欲しい。ではなく
沢山聴いて欲しい。
沢山の人に聴いて欲しい。
が、本当のはずなんだ。


ただ、在庫を抱えたり

金がなくなったり

思うように売れなかったり

あいつのCDのほうが売れたりすると

簡単に順番が逆転する。
売りたい、だけが残る。

何のために売るのか
金のためか
金のためなら自分の音楽じゃなくていい。
売るのは雑貨でも、服でも、食事でもいい。

 
商売臭くなるのが嫌で、
本当は愛しく作ったはずのCDすら「売る」のをためらう。
「届ける」ために作ったのに。
諦めたくなる。
「売れない」から売りたくなくなる。
届けたい、から作ったのに。


他の自営業の方も、こんな気持ちになるのかな


逆に買ってくれる、というのは本当にすごい。

フェスに行ったとする。
お目当てでないメジャーなアーティストのライブを観たとする。
即日買いするだろうか?

僕はNOである。

最近グイグイの、有名なBLUE ENCOUNTというバンドがいる。
三年くらい前かな。
その時はそこまで認知されてなかった、というか僕は知らなかった。
知名度で聴いたのではなく、音を、ライブを感じた。
ライブを観て、度肝を抜かれた。

ただ、僕はその会場ではCDを買わなかった。
欲しかったけど「様子を見て」しまった。
その後近所のCD屋さんで名前を見つけてしまい、忘れられず購入したのです。
逆にそこまで印象を与えたほうがすごいけども(笑)。

だから、即日買いするのは奇跡に近い出会いだと思っている。
すごい決断なんだよ。


だからね



昨日、歌を気に入ってくれて

CDを持ち帰ってくれた人

あなたに「届いた」のが何より嬉しかったのだ

ありがとう

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