2021年10月2日土曜日

二回目のテンション

 バッグが当たっているぞ。

朝の電車での出来事。


僕の右側に男性が立っていた。

ずーーっと、僕の右腕に、相手の左側に抱えているバッグが当たるのだ。

しかも絶妙な距離感だ。

さわさわさわさわ。くすぐったい。

土曜日の朝だから、別にソーシャルディスタンスを取れない乗車率でもなかったから余計だ。


男性のバッグはちょっと大きめで、少し身体を回転させようものなら、より僕の右側を攻めてくる。

気づかんもんかね、と思ったが更に右側に連れの女性がいて一緒に話をしていた。

だからか。


まぁ、10分ちょっとのことだし、わざわざ注意することでもないかと思ったり、だけどいい加減にしろよと思ったり。

僕は前にこういうことを男子高校生に注意したこともある。

言うときはいう。

言おうか、言うまいか。

何度かの葛藤があった。


そして、さすがに言うか❗という瞬間があった。

肘で何回か軽く押し返したりしたんだけど、気づかねえし。


「おい。いい加減にしてくれ。」

から始まる勢いで注意しようとした

のだが。


ちょっと待てと。

僕にブレーキがかかる。


そのテンションで喰ってかかっていいのか、俺。


一回「すいません、バッグがちょっと当たってるんですけど」と言ったにも関わらず、まだ当たるのならば

「あのさ、何回言ったら分かる?」

といった剣幕でもいいかもしれんけど。

相手はそもそも気づいてない訳ですからね。


「おい。いい加減にしてくれ。」

といきなり知らん人から言われたら、僕ならどうだろう。

【誰?何様なの?一回注意しろや】となると思う。


初回から、二回目のテンションで言ってはいけないね。

間違いは一回は許さなきゃいかんと思うよ。

二回目に怒るべきだ。



まぁ、結局そんなことを繰り返していたら、言えないまま電車を降りた。

覚えとけよ。こら。

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