2021年7月1日木曜日

誇れる闘い 事件編

 前回からの続き。



市役所とかでもそうなんだろうけど、郵便局には住んでいる人のデータというものがあるわけです。

端的に言うと戸籍みたいなものか。

皆さんやったことあるか分からないけど、一年間の転送サービスが郵便局にはあります。

そういうのもその「データ」に基づいてやるわけだ。

(ここらへんはコンプライアンスに引っ掛かるだろうから言えないので【データ】とする)


僕が新人で入ったということは、僕の前には、他の人が僕の区域を配ってた。

勿論今も僕の休みの時には誰かが配る。

つまりはその「データ」って重要な訳です。

誰が見ても分かるものじゃなきゃいけない。


ただ、その前任者の「データ」がね、もう、いい加減だったのよ。

本当に。

新人として、とても仕事がやりづらかった。

整理したいけど、時間がない。

おそらく前任者もその前もずっとそれできたんだろう。

だらしない仕事が継承されてきてしまったのだ。


名誉を守るために言うけど、僕のその区域がだらしないだけで、キチンとしている班はキチンとしているし、全ての班がキチンとしている局もあるだろう。

全ての郵便局がだらしないと言うつもりはないので、誤解のないよう。



そして、辞めたい辞めたいと思っていたときに事件が起きた。


端的にいうとその「データの不備」で、クレームが入った。

僕はそのデータ通りに配っていたのに、お客さんからとあるクレームが入った。

僕は正式な取り扱いをしたのだけどね。どうなってんだ、ということになり。

コールセンターの女性が怒られたんだって。

本当は書きたいのだが、書けないけど。


僕は猛烈に怒った。

正しく仕事をしているのに、なぜクレームにならなければならないんだと。

班長にも、課長にも喰ってかかった。

皆さん、俺が間違っていないと言ってくれた。


辞めたい辞めたいと思っていたし、だらしない仕事だなと思っていたけど、お客さんとコールの女性にまで迷惑がかかったのだ。

これはもう、問題にしなければいけないと思った。

課長が班長のところまで行って説教してくれた。

昨日の話です。



僕はその「データ」を、今日、直したかった。

普段の業務もあるから、配達終了後だ。

クレームのあったお客さんだけでなく、他にも【だらしないデータ】がいっぱいあったから。

僕は怒っていたから、やる気に満ち溢れていた。


普段は仕事の手透きの時間とか、毎日ちょくちょく手をつけてそのデータを常に新しく最新の状態にする。

(つまりはその毎日やるのを怠ってたから、だらしないデータになっているのだが)

僕は一応今、区域の担当者だ。

だらしないデータをそのままにしておいて、このデータのためにクレームになったとは言いたくなかった。

俺は完璧にデータを直してから「このデータのせいで…」って言いたかったんだ。



僕は部長に直談判して「今日僕の区域のデータを全部きっちり整理したいです」と伝える。

勿論それは残業も発生してしまうし、働き方改革もある。

あまりいい顔はされなかった。

それこそ、ちょくちょくやれよといったリアクションだったし、ドーンと今日だけ残業すれば色々めんどくさいだろう。毎日10分づつ残業して完成させればいいだろう。

しかし、僕は我慢がならなかったから。

どうしても「今日」やりたいんだと。

今日1日で完成させて明日の仕事を始めたいんだと許可をもらいました。


怒りをお供に、自分が本来やらなくてもいいデータの修正を行った。

これも書けないが、かなりの数だった。

これだけの修正があったんですよ、と報告して残業をつけてもらい、退勤した。



僕は今日があって良かったと思う。

自分が正しいと思っていることは、絶対に実行した方がいい。

僕は今日、カッコ良かったと思うんだ。


僕は新人だからという理由で声を上げないこともできた。

現場はそこまで暇じゃないと、泣き寝入りすることもできたんだ。


しかし、明らかに俺はそれは間違いだと思った。

2ヶ月の間、僕は声を殺していた。

だが、やはりそれに従って、慣れて、諦めてしまうのは絶対に嫌だ。


誰がそんな奴の唄を聴きたいんだろう。

詩を読むんだろう。

ライブに来るんだろう。

どの面下げて「自分に正直に生きよう」なんてMCで言えるんだろう。


これは郵便局なんかの問題じゃない。

俺の生きざまの問題だ。


アーティストでいるために、俺は筋を通したと思う。



六月中にカタがついて良かったよ。

俺、Shiny's があるんで。

こんなことに時間を奪われたくないのだ。


最後までありがとう。

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