2020年10月5日月曜日

【エントロピー】ライナーノーツ

 ライナーノーツも今日で終わり。

いがぐりロックの時にまたやりたいなぁ。

最後はびいだまマーチ5曲目「エントロピー」です。

この曲が生まれて、僕のソングライター人生はひとつまた変わりました。


歌い手、「松下直樹」という男がいます。

僕は最初その男のことが苦手でした。

Zeppでライブをしたこともあるその男は、何かスカしていて、まぁ、勘違いされやすい男なんです。あまり表情も動かないし、クールに見えるし。

仲良くならないまま、なんか、苦手だったんです(笑)

しばらく経つとその子がバンドを解散して、久しぶりにライブをやるという話を聴く。

確かゆきんこさんの企画だったと思う。

取り立てて興味はなかったけど、その日の松下直樹が素晴らしく「生きていた」。


後から聞いた話では、鬱を患って、ずっと歌えてなかったんだって。

その復帰ライブを僕は観たんですね。

俺なんかが歌っていいのかって気持ちを圧し殺しながら、松下は真っ直ぐに歌っていた。

僕はその姿に涙が止まらなくて。

その姿をとにかく美しく感じました。

逃げてない感じ。

そのあと、急に仲良くなったよ(笑)。


曲はギターをいじってたら、メロディとコード進行がなんとなくできていたんです。

それにあう歌詞もなんとなく。

音楽用語でクリシェっていうんですけど、コードの一部分を動かしていく作曲技法はシャイニーズとしても新しかったし、朝風呂のようにずっと同じコード進行が続く。

でもこの「ずっと同じ」に、引っ付く歌詞ができなかった。

この作りかけの曲が「できそうだ」と思い、詩を完成させました。

松下の弱さと僕の弱さが重なりあって。

今これを書かなければいけないなって。


今も皆さんに愛される曲になりました。

ぼくはえんぴつという曲が良くできた曲で、えんぴつが好きですって声を良く頂くんですけども。

エントロピーもそんな位置にいけてる気がします。

ちなみにエントロピーとは、物理学の用語です。調べても意味分からないと思う(笑)


レコーディングは、他の曲ほど苦戦しなかったような印象があるけど、覚えてないですね(笑)

多分レコーディングのはじめの方にレコーディングしたんだと思うけど。

メインボーカルがちっぴーなので、そこも苦戦してないと感じる理由なのかも。

聴く度に良いボーカルだなぁと感じます。

この曲が作品として遺せて良かった。

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