温泉に行きました。
今日行った温泉は山奥にありまして、本当にほぼ温泉があるだけの施設でした。
釜風呂やサウナは設置されていたけど、新型コロナの影響で使用できず。
今って色んな施設が充実してるじゃないですか。
やれ、香りの風呂だ。
やれ、ジェットバスだ。
休憩所にテレビがあったり、漫画が置いてあったり。
僕もそういうスーパー銭湯よく行くんですけど、そういう「楽しませよう」というものが一切無かったんです。
そこが昔から湯治に使われているような温泉だったのもあるんでしょう。
お湯に浸かる以外の要素が極力排除されていた。
それが本当に楽しくて。
身体や頭を洗うのに備え付けられているのは、合成洗剤ではなく石鹸のみだったり。
壁に書いてある注意書の文言がいちいち粋だったりして喜んでました。
(おっと、いきなりドボンはいけないねぇ ひとまず掛け湯をなさい…とか書いてある)
露天風呂に浸かっているときに、雨が降ってきた。
あえて逃げずに浸かり続ける。
湯船に落ちる雨粒が作る音を聴く。
7種類ほどある泉質の違う湯船を味わう。
子どもは退屈だと思うけど、とても大人の時間を過ごさせていただきました。
併設されている和食屋さんのお食事も美味しくて。加えてリーズナブルで。
想像の三倍以上感動して帰ってきた。
何でも足せば満たされる訳ではなくて。
省くことの美学。
しないことの美学。
求めてられていることを簡単に付け加えない美学。
勿論老舗なんでございますが。
至るところに、そういう意志を感じたのです。
楽譜や歌詞を見て、作者の力量を見せつけられるのと似ていました。
この温泉は、客に媚びていない。
かといって、あぐらもかいていない。
素敵でした。
また行きたいなぁ。
日帰りで行ける場所でこんな名所があるんだなぁ。
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