2021年6月15日火曜日

右脳の曲 左脳の曲

 小林亜星さんが亡くなりました。

昭和の大作家がまた一人、といったところです。

ガッチャマンは、素晴らしいアニメソングですよね。

個人的にはマルハの牛丼中華丼の唄が大好きでした。


追悼のニュースが沢山報じられていますが、すごく印象的なお言葉を亜星さんがおっしゃっていたので。

メモがわりに。

今後の作曲への考えに大きな芯を作ってくれそうです。



人間には右脳と左脳があって、

右脳は本能や直感。

左脳は理論とかを司る。


「左脳で曲を書くと、感心しちゃう曲ができちゃうんですよ。こんな転調したんだとか、こんなメロディにいくのかとか。感動がない。だから、右脳で曲を書いていくってことは心がけています。感心じゃなくて、感動」

といった内容だった。


なんとも素晴らしい示唆にとんだお言葉。


曲を創り始めたときは、理論なんぞろくに知らない。

鼻唄の延長だったり、なんかの曲をなぞった(パクった)曲だったりする。

初心者の方が右脳的だろう。

素人っぽいインディーミュージシャンは結構このタイプが多いだろう。


矛盾するようだが、右脳だけで創った曲には僕はあまり興味がない。

「あー、手癖で創ったんだな」「毎回同じような曲だな」と冷めてしまう。

知性を感じないのだ。


しかし、コード進行や和音、スケールなどを学んでいくと逆に左脳的な曲創りに移行していくように思う。

中級者に多いのではなかろうか。

斬新なコード進行や、コードにテンションで音をぶつけるような創り方をしていく。

これが一番陥りやすい罠だ。


やってるほうは、非常に楽しいし鼻高々。

こんな高度なことをやってのけたぞ、といった感じだ。

しかし、聴いている人の大半、つまりは一般の人はコード進行や、テンション、メロディスケールなんぞに興味はない。

グッとくるか、こないか。

それだけだ。


左脳重視だと「音楽をやってる人が喜ぶ」音楽を創るようになってしまう。

ライブハウスの常連には、こういうアーティストが結構いると思う。

仲間が唸る曲、ライブハウスで音楽を聴いている人にしか伝わらない音楽が創られてしまう。

内輪の音楽と言ってもいいのかな。


僕もそれに陥りそうになることが沢山あるから。

小林亜星さんのお言葉が響いたのだ。


小林亜星さんはプロの作曲家だから、理論的なこと、左脳にはもう充分な知識があることだろう。

だからこそ、右脳の大切さを説いたのだと思うね。

結局はバランスなんだろう。


スリーコードとパワーコードしか弾けないバンド小僧が

「直感が大事っすよ」なんてのとは言葉の重みが違うのだと思うね。


今日はこれでご飯何杯でもいけるわ。

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